1. 「人が動かない理由」

    には以下の4種類があることに気づきます。

    1 知らない(現状を実感として把握していない)

     内部にいると、厳しい現状でさえ日常になってしまい、危機感を失っていた。

    2 責任を取りたくない

     賛意を表明してしまうと、失敗したときに自分の立場が悪くなるから。
     現場での協力はするが、賛成はしないという人もいた。

    3 めんどくさい

     現状を変えるのが面倒なので、あれやこれやと、
     うまくいかない理由を挙げてやらないで済まそうとした。

    4 あなたが嫌い

     改革着手当時は20代とまだ若く経験も浅い漆氏、
     校長の娘という立場を盾に、偉そうなことを言っていると感じる人がいた。


    漆氏は、それぞれの理由について、
    次のような工夫で乗り越えていったそうです。

    1 知らない(現状を実感として把握していない)

     外部から見たらどんなに厳しい状況なのか実感してもらうため、
     外の人に会いに行く時、同僚たちにも同行してもらった。

    2 責任を取りたくない

     学内の様々な改革プロジェクトチームにおいて、
     漆氏が「私が責任を取るから!」と、いわば皆の「風除け」になることを明言した。

    3 めんどくさい

     できない理由を挙げる人は、漆氏とは「違う絵」を見ていた。
     漆氏は、改革がうまくいった時に、生徒が喜んでいる「ゴール」のイメージを描いていたのに対し、
     動かない人たちは、そのプロセスで遭遇するであろう、さまざまなトラブルや障害をイメージしていた。

     つまり、人によって、ゴールorプロセス、
     あるいは成果orリスクのどちらか一方しか見ていないことがあるということ。

     そこで、漆氏は相手の見ている絵がどんなものかを聴き、
     一方、漆氏は、自分見ている絵がどんなものかを相手に伝えた。
     こうして、お互いの見ている絵を交換することで、改革に対する理解と行動を促した。

    4 あなたが嫌い
     
     わずか5分でもいい、改革に関わる簡単な仕事を頼み込んでやってもらう。
     そうすると視点が変わり、主体者意識が出てくる。
     こっち側に一度でも連れてくれば、漆氏は嫌いな対立者ではなく、同じ改革に取り組む仲間になる。